自由すぎるアクセサリー&雑貨が心をわし掴み! 「kitakikaku」喜多理恵さんの溢れる情熱の源泉は?

A Picture of $name 鎌倉 泰子 2018. 4. 10

H.P.FRANCE所属のバイヤーとして、「destination Tokyo」「goldie H.P.FRANCE」「TIME&EFFORT」などのセレクトを手がけて牽引してきた鎌倉泰子さんが、気になるブランドを訪問。その魅力やものづくりに迫ります。

今回訪ねたのは"突き抜けた"アイテムがお客さまの心をわし掴みにしている「kitakikaku」デザイナーの喜多理恵さん。喜多さんのアイテムは、いずれも細かなこだわりとらしさがぎゅっと詰まっているのですが、「ものづくりが好きすぎる! 楽しすぎる! アイデアが次々湧いてくるんです!」と、笑顔で話すのが眩しい! ものづくりの明るい未来を感じる喜多さんのものづくりへの思いをお届けします。

“会社員”が楽しくて、心底向いていると思っていたけど独立

鎌倉: この楽しいデザインの背景について知りたいと思うんですけど、まず、喜多さんは独立する前は、バレエ・ダンス用品の総合メーカー「チャコット」でデザイナーをされていたんですよね?

喜多: 14年いました。最初は子ども用のバレエのレッスンウェアのデザイン、最後の3年間は社交ダンスの衣装デザインを担当していました。

鎌倉: だから、ラインストーンやメタルパーツ、羽はもちろん、どんなデリケートな生地でも扱えるのでしょうね!

喜多: おっしゃるとおり、「チャコット」での経験が、いまの華やかで大きなデザインや、装飾の作り方のバックグラウンドになっていますね。「チャコット」は業界ではとても大きな会社で、デザイナー、パタンナー、MDのチームで動きます。純粋に、自分が作ったものが形になるのは嬉しかったですし、営業の方からお客さまの声を聞いて、求められている以上のものを作って、みんなでみんなの期待に応えながらより良いチームを作っていくことがとても楽しくて! 「この仕事はなんて私に向いてるんだろう!」と思っていました。

鎌倉: それなのに独立されたのはなぜだったのでしょう?

(左)喜多理恵さん。
kitakikakuデザイナー。1980年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒。高校時代より衣装制作、小物制作を始める。2001年アパレル会社に入社。2015年より「kitakikaku」を立ち上げ、東京をテーマとしたクリエイションを発信中。

喜多: あるとき、レースのようにカット加工されているベルトを作りたいと思ったのですが、パタンナーさんに伝えるのに、絵だけではうまく説明できなかったんです。そこで、自分でファーストサンプルを作ってみたら、すごく楽しくなっちゃって……! 気づいたら退社していました(笑)! 自分の手から、デザイン画だけでなく、その先の形になったものが生まれるという経験が久しぶりだったんです。

鎌倉: ものを作るという、シンプルな喜びを再確認したんですね。

喜多: そうですね。私、ネタが尽きなくてどんどん溢れてくるんです。企業での企画は、「誰のために」「なんのために」というテーマを決めて進めていきますが、
独立してからのものづくりは、とにかく「好きだ」「作りたい」という気持ちが出発点。素材も形もアイテムも、なんでもあり! です。

鎌倉: 実際、喜多さんのアイテムは「自由」! このヘッドドレスかわいいな。きのこに、ひょうたん……。でもこのダイナミックさの中に、本当に細かなこだわりを感じるんですよね。これも、自然なグラデーションになるようにストーンを並べてるんですね。

(提供:kitakikaku)

喜多: これはかわいいと思う角度やボリュームにこだわって、土台も自分で一から削り出しました。あしらっているのは全てスワロフスキーのラインストーンです。ラインストーンを貼る作業だけで丸1日半かかります。

喜多: 思い描いているものにだんだん近づいていると思う瞬間はワクワクして楽しい! 最後まで仕上げたくて、「今日は寝たくない! ご飯もいらない!」と思うときもしょっちゅう。でも家族に迷惑をかけないよう、時間は合わせて寝ています。毎朝7時半に起きて、夫と外に朝ご飯を食べに行くんです。で、「おはようございます!」って、言って家に帰ります。

鎌倉: 家に“出勤”ですね(笑)。

喜多: そうしないと、着替えもせず顔も洗わず、そのまま仕事を始めちゃうんです! それにずっと会社員だったので、挨拶するとメリハリになるんですよね。

(提供:kitakikaku)

鎌倉: きっと、意識しないと夜もずっと仕事しちゃうタイプですね?

喜多: そうなんです。夫が18時に退社して帰ってくるので、それに合わせて夜ご飯を作ります。でも、「今日は無理! どうしても最後まで一気に仕上げたい!」というときなどは、外に食べに行きます。

鎌倉: 好きなことを仕事にしていると、家にいるとプライベートと仕事という区切りはあるんですか?

喜多: 好きだから、分けられないのかもしれません。会社員時代も、仕事が好きだったので土日も働きたいタイプで、休みの日も勉強も兼ねて、社交ダンスの大会を見に行ったりしていました。新しい衣装や作り方を知って、それができるようになるのは楽しい! 営業さんとコミュニケーションを取っているときも、「もっと良いチームになって、お互いの期待に応えながら前へ進もう」って、思っていました。でも、辞めると言ったら、「独立は向いていると思う」って言われちゃったので、自分ではびっくりしました(笑)。

鎌倉: ものを作るのが本当に好きなんですね。溢れる情熱と素材が出会ったら作りたい放題!

喜多: 私にとっては食べること、寝ることと同じくらい、自然な思いと作業。朝起きてから寝る直前まで作ってます!

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