両足義足の「普通でない」自分を消し去る 〜アーティスト・片山真理「you’re mine」についてのロング・インタビュー

A Picture of $name HITOMI ITO 2015. 3. 30

両足義足で活動するアーティスト・片山真理さん。両足とも脛骨欠損という、主幹を成す太い骨がない病気を持って生まれ、9歳のときに両足を切断しました。以来その独特な身体を介し、自分と自身を取り巻く世界との関わりを作品にし続けている彼女が、初の個展「you're mine」を開催しました。

→インタビュー「両足義足でハイヒールを履くという選択 / アーティスト・片山真理さん

"you're mine" 2015, http://www.shell-kashime.com/

“you’re mine” 2015, http://www.shell-kashime.com/

アーティストとして活躍の場を広げている片山真理さん。2012年の「アートアワードトーキョー丸の内」ではグランプリを受賞、2013年には「あいちトリエンナーレ」に最年少で参加を果たします。同年、フランスでパフォーマンス公演やファッションショーに出演するほか、2014年にはテレビやドラマにも出演。その表現活動の領域をどんどん広げています。

切断して不揃いに途切れる両足に、左手も「カニのよう」と自身でいう2本指……これまで、自身の「普通ではない」体と、「普通」の体の違いを埋めるために、他者を観察し続けてきた真理さん。彼女は、自身が観察し解釈した人と社会を、セルフ・ポートレートという手法で作品にしてきました。

その彼女が、2014年12月17日から約2カ月にわたり、初の個展を開催。個展のタイトルにもなる作品シリーズ「you’re mine」を中心に、セルフ・ポートレートを含めた5シリーズの作品を、恵比寿にあるギャラリー・TRAUMARISで展示しました。

タイトル作品「you’re mine」は、片山さんが「普通ではないもの」と「普通のもの」を見つめ続けた先に見つけた答え。そしていままでの「片山真理」に一区切りつける作品となっているといいます。

この作品に込めた思いとは? これまでの作品の由来、自身の体をなぞり続けて見えたもの。そして今後の片山真理はなにを生み出していくのか? 真理さんが語ってくれました。

→Next Page:いままでの作品と、セルフ・ポートレートのこと

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