Bruno Pietersの100%正直ブランド「Honest by」に2014年も期待する理由

2014. 1. 21

ファッション産業は巨大な産業であるが、それゆえ変化したときの効果も大きい。ファッションはよりサステナブルな世界を作っていくために有用な訴求ツールになる……と、筆者は固く信じている。
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消費者が、自分が何を購入し、消費しているのかはっきり自覚できるような機会を提供すべく立ち上げられたブランド「Honest by(オネスト・バイ)」は、2012年に立ち上がった。ベルギー人デザイナーであり、「Hugo Boss(ヒューゴ・ボス)」などの大手メゾンのアーティスティック・ディレクターを務めてきたBruno Pieters(ブルーノ・ピータース)によるものだ。同氏がインド南部を旅したときに得た感銘をそのままブランドのコンセプトに落とし込んで生まれた。南インドのある村で服を作る様子を視察し、糸の取引から販売に至るサプライチェーンの全工程が、互いに顔が分かる人々の間で進むのを見て、このような透明性のあるものづくりのかたちを世界的なレベルで実現できないかと考えたという。
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そこで「Honest by」は、100%正直に価格設定の背景、製造の背景を公開することとした。ここまで仔細にわたって情報を公開する企業は世界初であり、ファッション小売のあり方に新しいパラダイムをもたらす可能性を示している(ぜひサイトを訪ねてみてほしい)。例えば、同ブランドのオンラインショップを眺めてみよう。素材ならばどこのサイトでも載せているが、ここでは半端ではない情報量が掲載されている。製造プロセスと場所、値段の内訳、生地の製造過程で使われた炭素量、各業者に支払われた金額……こうした情報を得て、デザイナー同士が調達方法・計算方法を共有できるという点も、ブランドの目論見の一つにあるようだ。

もちろん素材一つとっても、環境負荷を綿密に調べた結果、選び抜かれたものばかりである。こうした情報を包み隠すことなくシェアしてコミュニケーションを取っていこうとすることで、今自分の買ったものがどういった背景で生まれたものなのか想像を膨らませるきっかけを消費者に提供しているのである。
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ちなみに、筆者を捕らえたのはサイトのカラーを自分で好みに変更して楽しむことができる点だ。どうやら、「ショッピングをもう少しインタラクティブにしたい。カスタマーがより自分らしくショッピングを楽しめるように」という思いからのギミックのようだ。

Bruno Pietersはこのように語っている――「公正でない取引のほうが普通ではない。永遠に続けられるわけないビジネスモデルを続けていくほうが普通ではない。透明性が必要だし、必ずどのブランドも企業もやらなければいけないことになる」。

This Article is Originally from...

Eloisa Artuso 'BRUNO PIETERS: STILL HONEST BY IN 2014' Eluxe Magazine , January 7, 2014

>> http://eluxemagazine.com/fashion/honest-by-2014/

(許諾を得て掲載)

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