布用の3Dプリンターついに現る? kickstarterで支援募集

2015. 6. 5

3Dプリンターが注目される昨今。3Dプリンターとは、コンピュータ上で作った設計図をもとに、まるで印刷プリンターのように、樹脂を吐き出して立体を作る装置のこと。簡単にオリジナルアイテムを製造できる技術で、日本のファッション産業でも、この技術を活用してオリジナルなアイテムを生み出そうという動きが生まれている。

吐出されるのがプラスチックの固形物であることから、シューズやアクセサリーなどが中心だったが、現在アメリカのクラウドファンディングサイト・kickstarterで支援を募集している「Electroloom」は、ついに布用の3Dプリンター登場といえるかもしれない。

いままでも、「3Dプリンティング技術でつくる」と謳うプロジェクトは実施されていたが、織機の延長線上にあるものが中心だった。

「Electroloom」は、液体をナノファイバー(極細繊維)化して吹き付けて、密に重ねることで成形する。コンピューター上で型を作り、装置内にセット。ナノファイバーを吹き付け、不織布として「印刷」する。開発期間・1年半を経て「衣服の3Dプリンターと呼べるものに近いものができた」と話している。

Via: kickstarter
吐き出されるナノファイバーでできた不織布

吐き出されるナノファイバーでできた不織布。通常の布と同じように、畳んだりできるしなやかさも持つ。

2015年5月16日からkickstarter上で支援募集を開始。募集の目的は、使用感をチェックしてもらうこと。高額支援者には「Electroloom」のプロトタイプと型を送り、実際に使ってもらって、どのように装置をプラッシュアップすればいいか、フィードバックが欲しいという。5月31日には目標額を達成しているが、6月16日までは支援を受け付けている。

現在も開発を進めており、色がついたものや、ストライプなどの連続的なパターンを吐き出せるようにする方法を研究しているという。最終的には、3Dプリンターの設計図をインターネット上でシェアできるShapewaysのように、衣料のデジタルデータが集まるプラットフォームを作っていく構想だとのこと。3Dプリンターはまだまだ新しい技術で、「Electroloom」も改良すべき点がたくさんあると話している。

近い将来、家庭に「Electroloom」がある時代が来たら、「服」を買うのではなく「型」を買う時代になっているかもしれない。

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