ファッションで「違い」を生み出す注目の女性デザイナーまとめ

2015. 5. 27

環境にやさしいファッションやフェアトレードを実践するエシカルファッションの領域では、活躍するデザイナーには明らかに女性が多い。なぜかは分からないが、もしかしたら女性のほうが先見の明があるのかも? と筆者は思ってしまう。

世界の女性を手助けし、地球を守り、そして人々と対等な関係で仕事をし、ファッションを通じて「違い」を生み出す女性デザイナーたちを紹介する。

Charlotte Bialas

スウェーデン生まれのパリ在住デザイナー・Charlotte Bialasは、とにかくテキスタイル・フリーク。大手メゾンが開発した上質なデッドストック生地を譲り受けて制作をしている。

70年代の「Yves Saint-Laurent」のフローラルプリントの生地に始まり、50年代のドット柄のテキスタイルは他ではそうそう手に入らない。また、誰もが知っている超・有名ブランドのデッドストックスカーフなども、縁があってサルベージできたのだという。それらの生地が行き着くところはみな一つ――焼却場だ(それに、コピー品が出ないように余った生地は燃やしたがるのだという)。

妊娠などを経験する中で、体型が変わってしまうこともあるだろうが、「Charlotte Bialas」なら安心。幾何学的なパターンに基いてできた彼女の服は、どんな体型にも合うよう設計されている。

Beluah London

インドは世界で最も早く文明が興った地であり、美しい豊かな文化を持っている。しかし、貧困というもう一つの顔も持つ国だ。売春産業に引き渡される人身売買。その事実を知った二人の女性Natasha Rufus IsaacsとLavinia Brennanが立ち上げたブランドが「Beluah London」である。二人はスラム街のセーフホームで住み込みで働きながら、問題をどのように解決できるかを話し合った。そして出した美しい結論は、トレーサビリティのしっかりしたサプライチェーンで、タイムレスなドレスを仕立てること。インドで雇用を作り、また滞在したホームに寄付も続けている。

ちなみに、Natasha Rufus Isaacsは侯爵家の出身であり、二人はKate Middletonことケンブリッジ公爵夫人キャサリンとも友人。キャサリン妃がアジア諸国を訪問する際、「Beulah London」のドレスを着用したことが最近話題になっている。

Johanna Riplinger

ナチュラル・ダイ(天然染め)とオーガニック素材で知られるドイツのデザイナー・Johanna Riplinger。女性の体とシルエットをきれいに見せてくれるテイラーリング技術は素晴らしいの一言。「私の服を着たら自分のことをもっと好きになれるーーそう思ってもらえるようデザインしているわ」と、Johannaは話している。


J Cavallo

ロー・シルク(※繭から繰り取ったまま精練してない絹糸のこと)とウールのみを使用し、街なかで一際目立てる個性的な服を仕立てる「J Cavallo」。女性のエンパワメントに積極的に取り組んでおり、女性たちを雇用してトレーニングするだけでなく、NPO・Women for Women Internationalに利益の10%を寄付している。彼女の服が個性的なのも、女性が女性であることをフルに楽しみ、自信を持ってもらいたいからという。


Sakina M’Sa

デザイナーのルーツを感じる、力強いフォルムとカラーリングコントラスト。アフリカ・コモロ諸島の出身のデザイナー・Sakina M’Saは、自由に組み合わせられて思い切り個性を発揮できるようなアイテムを提案している。

彼女が使うのは、LVMH、リシュモンと並ぶファッション業界大手企業体・Kering(ケリング)傘下ブランドのデッドストックファブリック。実は同社は、サステナビリティに積極的に取り組んでおり、「Alexander McQueen」「Stella McCartney」「Saint Laurent」ら自社レーベルから、大量の生地廃棄が出ないようにもしている。Sakina M’Saは、その取り組みの一環で「寄付」された生地を、コレクションに使っている。

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Isabell de Hillerin

Isabell de Hillerinのモットーはまさしく「女性による女性のための服」。大量生産に追いやられた東欧の伝統的なテキスタイル技術を取り入れ、その技術を次世代につなげようとしている。ルーマニアやモルドヴァの工房で、女性たちがハンドメイドで服を作り、刺繍を施しており、Isabell de Hillerinは公正な価格で買い取り、彼女たちの生活を守っている。


Titania Inglis

この若き才能溢れるデザイナー・Titania Inglisは、ハードなロックテイストを感じさせつつも、ミニマルなシルエットが特徴。それをオーガニックまたはナチュラル素材のみで作っている。ニューヨークの家族経営の工場で、日本製のオーガニックコットンや、イタリア製のベジタブルタンニンなめしのレザー、地域の縫製工場で出たウール生地のデッドストックを用いている。


Susana Colina

オーガニックコットン、リヨセル、バンブーといったオーガニック&ナチュラル素材を使い、美しい自然を守ることを是としているのがSusana Colina。ヘンプや、「ベジタブル・カシミヤ」と呼ばれる大豆ベースの素材など、幅広いエコ素材を使っている。


This Article is Originally from...

Chere Di Boscio 'BY WOMEN, FOR WOMEN: WHY FEMALE FASHION DESIGNERS RULE' Eluxe Magazine , May 26, 2015

>> http://eluxemagazine.com/fashion/female-fashion-designers/

(許諾を得て掲載)

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