【連載】Behind LOVES 〜恋の裏側のぞいてみました〜【全6回】

恋するリミットは何歳まで? 足して105歳で新婚になった夫婦のストーリー

A Picture of $name 石根ゆりえ 2015. 10. 3

恋をするリミットは、何歳までだと思いますか?

恋愛という感情を持つのはある程度の年まで。その後は、人生のさまざまな経験を経る中で、恋や愛などの感情はなくなるんだろうな――そう、私は思っていました。

しかし、そんな私の固定観念を覆してくれた夫婦に出会いました。

お二人が結婚されたとき、夫婦の年齢は足して105歳。ご主人は60歳で、「ふつう」なら退職後の人生の余暇を楽しむ年齢……と言われますが、お二人の夫婦としての人生は、これから始まったばかりです。

人生は自分次第で何度でもやり直せる――そんな勇気をくれるお二人のストーリーをお届けします。

―― お互いにさまざまなご経験をされたのですね。そんなお二人が出会ったきっかけを教えてください。
智枝: 社会人のゴスペルサークルで知り合いました。私は長い間ライフワークでゴスペルをやっており、私が所属するゴスペルサークルに淳ちゃんが参加したのです。練習は月2回でしたし、顔は知っているけれど特別な関心もなく、「練習の後の飲み会の度に、都内のカプセルホテルに泊まる人」という認識くらいしかなかったです(笑)。

淳: 会社を辞めるとき何になろうかと考えており、「そうだ! 歌手になろう!」ということで、ゴスペルをやり始めたんです(笑)。長年好きで継続しているものがカラオケだったので……。しかし私たちの参加するゴスペルサークルはレベルが高く、実力の差を見せつけられ、プロの道はすぐ断念しました(笑)。

智枝: お互いに「顔見知り程度」の状態が続いたのですが、あるとき共通のセミナーへ行った話になり、そこから仕事の話で盛り上がりました。まさか仕事の話ができるとは思っておらず、意外な一面を見て興味を持ち、それから頻繁に顔を合わせるようになりました。

淳: 智枝はとてもオープンで一緒にいて楽しく、はじめは「仲間」と思っていましたが、しだいに意識するようになりました。

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智枝: 仲良くなるうちに、淳ちゃんから仕事の依頼を受けました。仕事を相談してくれるのがすごく嬉しく、私にとっては大事なことでした。「女性」として扱うのではなく、「パートナー」として頼ってくれるというのがこれまでになかったので、お互いを高め合えるとを感じました。

また自分のキャリアに違和感を感じていたとき、淳ちゃんは私に「それでいいのか」という問いを投げ続けてくれ、私が持つ能力やリソースを全く別のジャンルに転用できることを気づかせてくれました。

淳: お互いの仕事の話や人脈をシェアするようになり、フラットで心地良い関係性を築くことができました。智枝と私は、さまざまなコミュニティーを持ち、多くの仲間を作りたいタイプ。だから多くの人を巻き込んで、仲間として仕事やイベント、飲み会をしたりするのが好きです。智枝と作っているこの環境が、自分が求める理想の環境だったと感じました。

―― お二人の周りには、老若男女いつもたくさんの人がいます。そんなお二人の魅力が人を引きつけているのだとあらためて感じました。お二人は入籍されて間もないですが、夫婦としての生活はどうでしょうか?
智枝: 私たちは、2014年4月10日に入籍しました。プロポーズは受けていたのですが、私が会社を退職するタイミングでもあったので、正式にいつ入籍するかは決めていませんでした。でも、4月10日の朝に突然淳ちゃんが「いまから結婚届を出しにいくぞ!」と言い始め……(笑)。そして正式な夫婦になりました。

淳ちゃんは、54歳でサラリーマンを辞めて独立し、あらゆる苦難を乗り越えながら自分が生きる道を求め続けています。「自分らしく生きる」という言葉は簡単ですが、すごく難しく、特に年齢を取ると、多くの仮面を被ってしまいます。淳ちゃんが自分の仮面を外していくうえで、私が鍵にもなっていると思いますし、今後もそうありたいと思います。

淳: 智枝は、自分が生きたい世界を一緒に作ってくれる存在です。つまらないことに拘泥してた自分から、智枝と出会い、また智枝を通していろんな仲間と出会うことによって、世界を広げることができました。笑うときも、喧嘩をするときも、いつも横には智枝がいて、周囲には多くの仲間がいる――そんな日常を作っていきたいです。

(インタビューここまで)

お二人は本当に仲良し! そして誰に対しても気さくで、とても温かい。

私がお二人と初めてお会いしたのは、お花見を主催したとき。お二人とも、20代の若者の中に完全に打ち解けていました(笑)。

お二人の結婚式でも、幅広い年代のいろんなコミュニティーの方が集まって祝福しており、お二人がいかに愛されているかを感じる式でした。

私がお二人を「ふつう」じゃないなと思う理由は、常に人生のベストを追い続けているからです。過去を振り返るのではく、年齢を重ねるごとに、仕事も恋愛もより良く生きることができるよう、いつも挑戦しています。

いくつになっても、「今が一番幸せ」をアップデートしているお二人だからこそ、周りにはいつもたくさんの人が集まっています。「大丈夫大丈夫! なんとかなるよ!」そんなお二人の笑顔は、今日も誰かを温かくしていることでしょう!
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