通販事業を手がける株式会社フェリシモ。haco.やkraso:など、ご利用になったことがある方もおられるのでは? PEACE BY PEACE COTTON PROJECT(以下、PBP)は、同社内で運営されているプロジェクトの1つ。同社は、「ともにしあわせになるしあわせ」を企業理念に掲げており、そのコンセプトに基づき、さまざまな社会貢献プロジェクトが社内にあるといいます。
PEACE BY PEACE COTTON PROJECTとは?
PBPは、インド産オーガニックコットンで作られた製品を基金付きで販売し、基金をインドの綿農家の有機農法への転換支援や子どもたちの就学支援に使用するというもの。そこで栽培されたオーガニックコットンで再び製品が作られ、さらに基金が貯まるという循環型のしくみとなっています。2008年に構想がスタートしたこのプロジェクトは、これまで1双200円の基金付き軍手(men❤te)、1着300円の基金付きの服や雑貨を販売。2010年以降、インド・オディシャ州カラハンディ県の2地区において、PBPを実施してきたパートナーの現地NGOチェトナオーガニックは、2012年には新たに3つの地区に事業対象地域を拡大。2012年時点で、6,117以上の農家がオーガニックコットンの栽培に移行しています。教育基金も、2012年度で791人の子どもたちが小中学校に復学し、252人の子どもたちが大学など高等教育の奨学金を受け取りました。
コットンの負のサイクル
綿花から製品までの流れの中で、綿花を栽培する農家の立場が最も脆弱。特に、子どもたちを取り囲む状況は過酷です。インドの綿花栽培は、子どもの労働率が最も高い産業。2006~2007年、綿花労働に従事する18歳以下の人数は41万6,460人。そのうち半数以上が14歳以下であるという統計も出ているそう。綿農家で働く子どもの85%は学校に通うことができません。
さらに、綿花はもともと大地のエネルギーを奪いやすい植物。生長するために、たくさんの養分を吸収してしまい、栽培を続けると、土地はすぐ弱ってしまいます。そのうえ、生産量を増やすために大量の農薬や枯葉剤を使って効率的に綿花を収穫する国が増えました。その枯葉剤や農薬のために親たちは借金を重ね、子どもたちは労働を強いられているという負のサイクルが作られているのが現状です。
手をつなぐ、つながっていくプロジェクト
そんな負のサイクルを良い循環に変えていくべく設立されたPBP。最初は軍手の製造からスタートしました。軍手は非常に環境に優しいアイテムで、綿糸を紡ぐときに細かすぎて使えなかった綿(=落綿)を利用して作られています。「何かピースフルな若者のためのアイテムを作りたい」と考えていたとき「軍手は手袋。手袋は手にはめるもの。人の手はだれかと握手するもの……ということは、手袋は誰かと握手するためのツールになれる!」と着想。そこから、「綿」「人(men)の手(te)」「大地をメンテナンスする」という意味が込められた「men❤te」の販売が始まりました。
笑顔が循環するPBPコットンプロジェクト
そして今では、約200点の商品を展開するまでに成長。5年目を迎え、有機栽培に必要な3年の移行期間を経て、PBPオリジナルのオーガニックコットンも収穫。それを用いたオリジナル商品やさまざまなコラボレーションアイテムも計画されています。成長とともに支援できる農家・子どもの数も増え、ポジティブな循環が確実に回り始めているのです。
今回、新たなチャレンジとして企画されたのは、このTシャツ。インドの農村の子どもたちに思いっきりお絵かきを楽しんでもらい、その絵を組み合わせて作られたものです。子どもたちの自由で色鮮やかな絵がいい味を出しています。
手ざわりも着心地も良い天然素材として好まれるコットン。この素材が地球にも人にも優しい素材だったらもっとたくさんのハッピーが広がるはず! もっと循環の輪を広げていけるよう、コラボレーションの可能な企業、団体も募集中。シーズンごとに新たに発売される商品は、ウェブでチェックしてみて!
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