「H&M」が世界全店舗で行ってきた古着回収活動。これを通じて集まった生地に由来するリサイクルコットンを使った新しいデニムコレクションが2015年9月3日に発表された。
レディス・メンズ・キッズからなるこのコレクションは、不要になった衣類を新しい商品にリサイクル。ファッションの “閉じたループ” (CLOSE THE LOOP) を作り出す最新の取り組みとなる。
ファッションの “閉じたループ”とは、資源を循環させる意味。不要になった衣服をそのまま廃棄するのではなく、新たな商品に生まれ変わらせることで、生地の生産時に新たに使用される資源を節約。ファッション業界の環境への影響を小さくする。
「H&M」は2013年以降、「Garment Collecting Initiative」の一環として、世界中であらゆるブランドの不要衣類を回収。これまでおよそ14,000トン以上の衣類が世界中で収集されており、日本では2015年8月現在1,340トンを回収しているという。
ウィメンズはスキニーデニムやダメージ加工されたガールフレンドデニム、ジャケット、サロペット、ジャンプスーツなど。メンズは2種類のジャケットおよびダメージ加工デニム、スリムレッグ・ジーンズやジョガーパンツが登場する。キッズは動物の耳が付いたフーディーやストレッチジーンズ、ダンガリーシャツなどを販売する。
発売を記念して2015年9月3日から23日まで、「CLOSE THE LOOP」コレクションのデニムを購入者全員に、次回から使用可能な20％オフクーポンを配布する。
また8月26日から、「H&M Conscious Foundation（H&M コンシャス・ファウンデーション）」は、ファッションの“ループを閉じる”先駆的なアイディアに対し、約100万ユーロの助成金を授与するアワードを開始。
同ファウンデーションは、「H&M」の創立者兼メインオーナーであるステファン・パーション一家により設立された非営利財団で、このアワードではファッションのライフサイクルのループを閉じ、地球の天然資源を保全する革新的なアイディアを募る。
専門家の審査員によって選ばれた5名の受賞者は、100万ユーロの助成金を共有。ストックホルムでAccentureおよびKTH Royal Institute of Technologyの支援を受けながら、それぞれのアイディアを実現させていく。
結果は2016年2月にストックホルムで開催されるアワードセレモニーにて発表される。
ファッションに関する質問は、 もはや『今季の流行色は何色？』ではなく、 『“ループを閉じる”ことができる革新的なアイディアにはどんなものがある？』になるでしょう。 Global Change Awardは地球の天然資源を保全するアイディアを探しており、 このアワードに審査員として参加できることを光栄に思っています。
（ロンドン芸術大学 「サステイナブル・テキスタイルおよびファッションデザイン」教授、 同テキスタイル・フューチャーズ・リサーチ・センター ディレクター、 Global Change Award審査員、 レベッカ・アーリー）
なお、同財団および「H&M」は、このアワードに集められたイノベーションに対し、一切の権利や知的所有権を取得しないとも。
このチャレンジに多くの人々が参加し、 画期的かつ革新的なアイディアが世界中から届くことを願っています。 Global Change Awardは毎年、 変化をもたらすことができる、 とても優れていて大胆なアイディアを見つけ出すことを目指していきます。 同時に私は、 ファッション産業全体がどのように“ループを閉じる”チャレンジに取り組むのかを見たいと思っています。
（「H&M Conscious Foundation」役員、「H&M」CEO カール・ヨハン・パーション）
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