ブランドがデザインデータを売る時代に?「Honest by.」がアクセサリーを3Dプリンタ用データで販売開始

2015. 6. 17

ブランドとは、デザインをかたちにした最終製品を販売して成立するものだった。しかし、これが変わるかもしれない。

元「HUGO BOSS」のクリエイティブ・ディレクターによるブランド「Honest by.(オネスト・バイ)」から、3Dプリンターを使って購入者自身で製造できるアクセサリー用デザインデータが発売された。これは、業界初といわれる試みで、スペインの新興企業・Comme des Machinesとの協業によるもの。

honest-by-download-2

2015年6月5日に販売が開始された「Download EP01」コレクションは、ブローチやキーホルダー、靴紐に通してアクセントにするためのモチーフを含むアクセサリーコレクション。だが、販売するのは、その3D印刷用データ。購入すると、データをダウンロードできるようになる。


「Honest by.」は、服が作られるまでの過程を全て「見える化」――透明性を確保――しようという趣旨のブランド。元「HUGO BOSS」のクリエイティブ・ディレクターである、Bruno Pietersが、2012年に立ち上げた。その趣旨の下、スペインの新興企業・Comme des Machinesと出会い、今回のコレクションの実現に至ったという。

技術や一般家庭への普及が追いついていないいま、先取りしたかたちの今回のコレクション。Bruno Pietersは「3Dプリンティングには無限の可能性がある」とし、それがもたらす影響を、次のような視点から話している。

3Dプリンターで、購入者が自分で作れば、すぐさま透明性のあるアイテムを着ることができる。製造に関わるのは、購入者だけだからだ。3Dプリンティング技術は、見えにくい製造過程の中で問題視されている労働問題を一掃する。


その他にも、輸送に掛かるコストとCO2が削減できるほか、将来的に3Dプリンター用シュレッダーの開発が進めば、家庭の不要なゴミが3Dプリンター用素材になり、リサイクルがいっそう簡単かつわくわくするものになる、と期待を込めている。

今回のアクセサリーコレクションは、3Dプリンターの可能性を追求するにとどまらない。ブランドとしてデザインデータを販売する試みは世界初といわれており、今後の「ブランド」のあり方にも一石を投じるだろう。価格は50ユーロから。「Honest By.」のオンラインショップから購入可能。

Honest By.

Website:http://www.honestby.com/

この記事のキーワード

Keywords

Sponsored Link
次はコチラの記事もいかがでしょう?

Related Posts