“身体障害の壁を超えるモード、それは可能だ!”〜モードと障害 From Paris

A Picture of $name Mie MANABE 2012. 12. 26

パリ市庁で身体障害を持つ人々のサポート役を担うヴェロニク・デュバリーと、衣服のノーマライゼーションを目指し、毎年コレクションや各種イベントを行う組合“Mode et Handicap(モード&ハンディキャップ。以下、M&H) ”の立ち上げ人兼デザイナーであるChris Ambraisse Boston(クリス・アンブレッス・ボストン)による共同主催のファッションショー ≪差異を昇華するモード(Une mode qui sublime les différences)≫ が、11月末、la Cité de la Mode et du Design de Parisにて行われました。

パリ市は2009年から毎年≪障害に関する特別月間≫を設けており、ルーブル美術館、ケブランリー美術館、そして今回会場となったla Cité de la Mode et du Design de Parisなどパリの一等地を、啓蒙活動を行う団体に対して率先的に貸し出しています。

ファッションショーには、パリ市の他にもテレビ局、銀行、新聞社など30以上もの企業が協賛。司会には女優・アナウンサーのセリーヌ・デュランを起用し、フランスのアカペラグループによるコンサートや、コメディアンによる観客参加型のコーナーなどを盛り込むなど、会場に集まった350名以上の観客たちを大いに楽しませてくれました。

そして今回のメインであるランウェイでは、40以上の最新コレクションが登場。ハンディキャップを持つ人とそうでない人が、同じデザインの服を着て並んで登場する場面が印象的でした。ジップやスナップボタン、アシンメトリーな曲線を多くデザインに取り込み、どんな人にも着脱がしやすいよう、細やかな工夫が随所に見られます。

ショーの裏側がこちらから見られます。

「M&H」のデザイナーであるクリスは、4年間パリでモードを学んだ後、脳性麻痺の友人との会話をきっかけに“外見的な美しさの先にある、実用性を追求した服-どんな人にも似合う、ハンディキャップの壁を取り除く服”をテーマにしたブランドを立ち上げることを決意しました。2006年に立ち上がった「M&H」は、今年で6周年。流行の中心地パリで“衣服のノーマライゼーション”を目指すモードの先駆者に、要注目です。

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