コンフリクトフリー・ダイヤとは? 時代遅れなキンバリープロセス

2012. 4. 20
Photo via Ecouterre

何百ものタブロイド紙を賑わせたアンジェリーナ・ジョリーの指輪は、「コンフリクトフリー・ダイヤ」。これは、「血塗られたダイヤ」が市場に流入するのを防ぐために、国連が定めたダイヤモンド原石の国際認証制度「キンバリープロセス」の認証を受けた、紛争に関わりのないダイヤモンドを指す。しかし、アンジーの指元で光るようなそれらは、果たして本当に「無罪」なのだろうか?

それというのも、キンバリープロセスを批判する者たちは、キンバリープロセスはすでに時代遅れだというのだ。現代の流れに対応しきれておらず、ダイヤは紛争と無縁ではいられないとも。

「ホワイト・ウォッシュ」

すっかり時代遅れとなり、ダイヤに輝きを与える力を失ってしまったと言われる「キンバリープロセス」。批判の先鋒を務めるGlobal Witnessは2003年、キンバリープロセスを制定する主要メンバーであった。しかし、同団体はキンバリープロセスの時代遅れっぷりと抜け穴を指摘し、すでにキンバリープロセスのプログラムグループからは脱退している。それは、New York Times紙でも報じられたとおり、昨年11月にジンバブエのマランゲ鉱山から採れた紛争ダイヤが一般市場へ流れこんでしまった経緯があったためだ。

ジンバブエ、中央情報局(CIO)とは、現職のムガベ大統領に対して反抗的な言動を働いたり、そういった思想を持つと疑われる市民を取り締まる機関。同局は、ダイヤモンドがもたらす富を享受しているといわれている。ダイヤモンドの収益を元手に、不正な武器取引が行われているとの報道も同様に広まっている。

キンバリープロセス制定から9年経ってなお残念なことは、消費者がいまだにそのダイヤの出自を自ら確かめる手立てを持っていないことです。出自を確かめるのみならず、武器取引の資金源になっていたり不正を働いている政府の資金源となっていたりと、紛争を助長しているかもしれない。そのことを消費者は確かめ得ないのです。

このような状況に陥っている理由を、Global Witnessのチェアマンであり創設メンバーでもあるGooch氏はこのように述べるーー「紛争ダイヤは、一般のダイヤと市場で混ぜ合わされて区別できないようにされるのです」

紛争に資金を提供するダイヤ

このように、キンバリープロセスをしてもなお、ダイヤモンドが「汚れ」とは無縁でいられない理由はなんだろうか?

キンバリープロセスの定義では、反政府勢力やゲリラ軍、マフィアなど、独自展開するグループと関わりがあるものだけを「コンフリクトフリーダイヤ」としており、「政府」は「非人道的グループ」には含まれないという問題がある。ジンバブエのケースは、この抜け穴の問題が如実に現れてしまったのだ。また、キンバリープロセスは、労働搾取や児童労働といった人権侵害も対象ケースとして扱っていないし、カットや磨き工程など、採掘後の加工プロセスについてはウォッチしていない。

Partnership Africa Canada(PAC)は、キンバリープロセス制定のもう一人の主要プレーヤーだが、この団体もキンバリープロセスは「何度も繰り返しルールを破る国を取り締まるために、批准国を参加させるための力も意欲もない」と、批判する。

2010年の、ジンバブエで起こったダイヤモンド関連の事件報告書によると、PACはジンバブエのダイヤモンド産業についてこのように述べているーー「政治的な陰謀や野望にまみれ、法の権力などあったものではない」。

しかし、「ジンバブエ一国に限った問題ではない」として、このようにも述べている。「これは、キンバリープロセスがダイヤモンドを保証することができないという一つの証明なのだ」と。

アンジェリーナ ジョリーの夫妻はきっとジンバブエ地域のダイヤモンドを避けようとしただろう。2009年に夫妻は、非人道的な行為がなくなるまで、マランゲ産のダイヤモンドを買わないようにと呼びかけたと、国際人権NGO・Human Rights Watchのエグゼクティブディレクター・Kenneth Roth氏は回顧する。そんな夫妻の思いをよそに、キンバリープロセスは時代遅れの代物であり続けるのだろうか。

This Article is Originally from...

'Angelina Jolie’s Conflict-Free Diamond Ring Not So Conflict-Free After All?' Ecouterre , Rebecca Paul

>> http://www.ecouterre.com/angelina-jolies-conflict-free-diamond-ring-may-not-be-so-conflict-free-after-all/

(許諾を得て掲載)

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