【連載】KAITAI DISCOVERY 〜解体して発見するモノの裏側〜【全5回】

「黒ひげ危機一発」を解体したら怒られたので、タカラトミーに裏話を聞いてきた

A Picture of $name 中家 幸太 2016. 7. 13

普段目にする、周りにあるモノたち。
使い方は知っているのに、中身がどうなっているのか、そしてどんなしくみで動いているのかは分からない。

開けて中を覗いてみたら、不思議な世界が広がっていて、おもしろい発見があるかもしれない。

解体(Kaitai)を通してモノの裏側に隠れている秘密を発見(Discover)。モノに対する常識やイメージを一新させ、私たちの世界観をほんのちょっとだけ、広げてみたいと思っています。

「黒ひげ危機一発」。ハラハラ、ドキドキしながらプラスチックの剣を差し込んでいく……誰もが一度は、この体験をしたことがあるのではないでしょうか。

1975年に初代「黒ひげ」が現・タカラトミーから生まれてから、ほとんど姿形を変えずに40年以上も愛されている、おもちゃのベストセラーです。

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そんな不思議で魅力的なおもちゃに心を惹かれ、中身がどうなっているのかが気になってしまい、「黒ひげ危機一発」を解体したとある日。タカラトミーの広報担当・岡さんに解体したことをお伝えすると、お叱りの言葉が……

解体しちゃったんですか?! 子どもにも遊んでもらえるよう開発してるんです。子どもの夢が壊れるんで、やめてください!

勝手に解体しました。ごめんなさい。

勝手に解体しました。ごめんなさい!(テヘペロ)

しかし、これがきっかけとなり、「黒ひげ危機一発」についてお話を聞けることに! 解体はできませんでしたが、株式会社タカラトミーの池田源さんを訪ね、その過去を解体することに成功しました。

株式会社タカラトミー ベーシック事業部トイゲーム課係長・池田源さん

株式会社タカラトミー ベーシック事業部トイゲーム課係長・池田源さん

「黒ひげ危機一発」って、どうして生まれたの?

こうた
海賊が樽に入っていて、そこに剣をブスブス刺して遊ぶなんて、子どものおもちゃにしては過激ですよ。どこからそんなアイデアが生まれたんですか?
池田源さん(以下、池田)
商品の企画会議をやっていたとき、たまたま海辺の近くでミーティングしていたらしいんです。海が見えてたから「海賊」っていうアイデアに出て、そのまま決まった……というのは伝え聞いています。
こうた
そういえば、もともと飛び出したら勝ちだったとも聞いたんですけど、樽に閉じ込められてる海賊を「痛ぇっ」って飛び出させて勝ち、なんて、やっぱり過激ですよ。
池田
違うんですよ〜。発売したときは「飛び出したら勝ち」だったんですけど、それには実はストーリーがあって、ぐるぐる巻きの樽詰めにされているのが海賊の親分で、子分たちが剣を刺して縄を切って助けだす……っていうゲームだったからなんです。
初代・黒ひげ。当時は「黒ひげ危機一発ゲーム」という名前で発売されていた。箱の背面にも「飛び出した人が勝ち」って書いてある。いまの「黒ひげ」は、「飛び出した人が負け」になっている。

初代・黒ひげ。当時は「黒ひげ危機一発ゲーム」という名前で発売されていた。箱の背面にも「飛び出した人が勝ち」って書いてある。いまの「黒ひげ」は、「飛び出した人が負け」になっている。

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