パリ・セレクトショップ「Centre Commercial」が選ぶ「well-made(最善・最良のものづくり)」アイテムとは?

A Picture of $name Mie MANABE 2016. 4. 4

オシャレに敏感な若者たちが集うパリ10区でひときわ注目を集めるセレクトショップ「Centre Commercial(サントル・コメルシァル)」。洗練されたセレクトはもちろん、全ての商品が「well-made(最善・最良のものづくり)」 というのが、同店のコンセプトです。

運営しているのは、ブラジル産のサスティナブルなシューズで人気のフレンチブランド「Veja(ヴェジャ)」。今回は「VEJA」の共同創設者の一人であり、同店のセレクト&バイイングを務めるセバスチャン・コップ(Sébastien Kopp)さんに、「well-made」とは何かについて尋ねました。

Centre_Commercial_1HD

―― 以前、もう一人の創業者であるフランソワさんとのインタビューで、「Centre Commercial」のセレクトについて「well-made(最善・最良のものづくり)」というキーワードが出ました。具体的にどのようなものづくりを「well-made」と呼び、セレクトされているのでしょう?

僕たちが考える「well-made」とは、主に「環境や社会に配慮して生産されているもの」を指します。セレクトの第一条件は、「何を使って、どこでどのように作っているのか」というものづくりの背景・情報が、消費者である私たちにはっきり開示されているものであること。ものづくりにおける透明性と、デザインの美しさの両方を兼ね備えたものが、「well-made」な商品として「Centre Commercial」内で提案されています。

うわべだけで「well-made」謳っているものではなく、素材や生産過程の全体を通して配慮がされているかどうかも吟味しています。社会福祉・労働における法律がきちんと定められている国(フランス、イギリス、アメリカ、ポルトガルなど)で生産されている商品も多く扱っています。

ddd

クラシック音楽が流れる店内には、洗練された素敵なモノたちがアートのように飾られ、ついつい長居してしまうほど心地良い空間。

―― デザイン面では、「Centre Commercial」が打ち出す世界観やコンセプトなどはありますか?

デザインに関しては、単純に僕たちの好みに合ったものを選んでいるだけなので、世界観やコンセプトを特定の言葉で表現することはないですね。店内の雰囲気やスタイルは、実際に足を運んでくれるお客さまがそれぞれの感性で決めるものだと思っています。

ただ内装に関しては「自分たちが居心地良い空間づくり」を目指して試行錯誤しました。僕たちはゆっくりと流れる時間や、時代を感じさせるようなものが好きです。あえて言うならば、それが起点になっているため、塗装が自然に剥がれたような現在の壁のデザインに行き着いたんだと思います。

Centre_Commercial_2HD

「Veja」のお二人がこだわった、味のある内壁。まるでウォッシュ加工のジーンズのよう。

―― いま、「Centre Commercial」のお客さまに人気のブランドには何がありますか?

『Made in France』にこだわる「Bleu de Paname」、イギリス靴の「Church’s」、そしてフランス発の「Roseanna」などが人気ですね。もちろん、「Veja」もね!
 「Centre Commercial」には全部で約120の取り扱いブランドがあり、メンズとレディースの比率はだいたい半分ずつ。いま挙げたもの以外にも、人気のブランドはたくさんありますよ。

―― セバスチャンさんが期待している若手のブランド、または気に入っているブランドはありますか?

「Centre Commercial」が取り扱うブランドは、クリエーターが30―40代であり、知名度が上昇中か、すでに根強い人気を誇るものが中心です。
 どれもデザイン的に洗練され、心地良いものばかりなので、全てのブランドが「Centre Commercial」のファミリーのような存在。一つには決められませんね!

―― 「『Centre Commercial』で取り扱ってほしい」というブランドも多いと思いますが、ブランド/メーカーからそういったアプローチは多いですか?

取り扱いに関するご相談は、頻繁にいただきます。メールは毎日200件ほど。電話ももちろん、直接店頭にいらしてくださる方もあります。パリは、ほかの都市に比べてセレクト形態のショップが少ないので、僕たちのようなお店にもアプローチが集中してしまうのではないでしょうか。メールの返信が追いついていませんが、頂いたメールには全部目を通しています。

基本的に、いま取引をしているブランドとは長いお付き合いをさせていただいていますし、すでに多くのブランドと取引をしているので、新しいものを頻繁には入れられない状況です。しかし、とても魅力ある商品ならばもちろん取り扱いたいと思っています。ときどきブランドの入れ替えも行っています。

―― 「Centre Commercial」は先日5周年を迎えました。オープンから現在まで、大変だったことはなんでしょうか?

「Centre Commercial」を任せられる、結束力と能力を兼ね備えるチームを作るのが難しかったですね。しかし長い時間をかけたおかげで、いまの素晴らしいチームを作ることができました。

c c c

現在は8人体制。彼らには店頭での販売をはじめ、MD、バイイング、プレス、ウェブサイトの管理など、「Centre Commercial」に関わるありとあらゆる仕事を任せています。パーソナリティー、能力ともに最強のチームですよ。
 2013年には新たに「Centre Commercial Kids」をオープンし、4人の仲間が加わりました。

equippe

「Centre Commercial」の最強チームのみなさん!

―― 「Centre Commercial」における今後の課題や、将来の展望として考えていることはありますか?

事業計画はありますが、「目指す姿」のようなものは、特にないですね。
 自分たちの仕事を愛し、みんなと幸せに暮らしながら、これからも「Veja」と「Centre Commercial」を発展させていくことーーそれが日々、僕の願うことです。これからもさまざまなコラボレーションやプロジェクトを実現させていくので、期待していてください!

kidsa

2013年にオープンした「Centre Commercial Kids」は、「Centre Commercial」のすぐ近く。

kids

(インタビューここまで)

新しいこと・おもしろいこと・楽しいことをしたい! というアーティスティックなエネルギーと、経営者としての鋭い視点や論理的思考を兼ね備えたセバスチャンさん。話を伺いながら、「未来を作るのはこういう人なんだ」と感じました。
 「Centre Commercial」は、訪ねるたびに新しい発見があり、何度でも通いたくなる素敵な場所。フランス在住の方はもちろん、パリへ旅行の際はみなさんもぜひ一度、足を運んでみてください!

Centre Commercial

Address:2, rue de Marseille - 75 010 Paris
Tel:+33 1 42 02 26 08
Hours:13:00〜19:30(月)、11:00〜20:00(火〜土)、14:00〜19:00(日)
Website:http://www.centrecommercial.cc/

Veja
http://www.veja-store.com/

この記事のキーワード

Keywords

Sponsored Link
次はコチラの記事もいかがでしょう?

Related Posts