【インタビュー】モードなエシカルファッションの先駆者「Ada Zanditon」

Photography taken by Yasuyo Miyake 2012. 2. 1

イギリスでも1、2を争うハイエンドエシカルファッションレーベルとして有名な「Ada Zanditon(エーダ・ザンディトン)」。エシカルがイギリスで興る早いうちから、天然素材やオーガニック素材を使用し、モードの可能性を切り拓いてきました。そんな先駆者であるAdaに、クリエーションの裏にある思いを聞きました。

Photography: Yasuyo Miyake

Photography: Yasuyo Miyake

絵を描くにしろ、デザインするにしろ、自然が最もインスピレーションを与えてくれるわ。

――まずはあなたのキャリアについて教えて?

Alexander McQueenで実務インターンをしたり、パリで数カ月仕事をしたあと、London College of Fashion(LCF)でレディースウェアの学士号を取得したの。それからしばらくはフリーランスとしていくつかプロジェクトに参加していたわ。南アフリカ共和国の伝統工芸の職人の方々とも一緒に仕事をするプロジェクトもやったわ。それから「Gareth Pugh」で1シーズンだけコレクションに参加して、2009年に自分のブランドを立ち上げたの。クチュールコレクションからスタートして、2010年からプレタポルテをやっているわ。2010年S/Sは蜂がテーマで、2010年A/Wはコウモリをテーマにしたのよ。

――コウモリ!

コウモリは大好きな動物の1つね。超音波を使ったり、花粉の媒介をする種類もあったり、とってもクールね。動物園にもよく行くのよ。ロンドン動物園にぜひ行ってみてほしいわ。

――動物が好きなのね。動物の保護を考えるようになった理由は?

私の通っていた小学校もたまたま環境教育に熱心だったのもあるのかもしれないけれど、小さい頃から思っていたと思うわ。生まれも育ちもロンドンだから、自然というものによけい惹かれてしまうのよ。ほら、誰だって自分の持っていないものには憧れてしまうじゃない?そういうものの1つだと思うわ。絵を描くにしろ、デザインするにしろ、自然がもっともインスピレーションを与えてくれるわ。

――ブランドを始めた当初から、ファッションを通じて動物や自然について取り組むことを考えていたの?

そういうわけではないの。LCF在学中に、友人に誘われてKatharine Hamnettの講演を聴きに行ったの。そこで、コットンに使用される殺虫剤がどれだけ多くの動物を毎年殺してしまっているか、といった諸々の事実を聞いて思ったの――動物を守ることとファッションという、私が最も情熱を傾けてきた2つのものは結びつけられるんだって。

デザインは世界を変える力を持っていると思うのよ。私たちの生活は全て誰かによってデザインされたものでしょう? より多くのデザイナーがそういう意識を持ってデザインしたら、生活は大きく変わると思うわ。

――あなたにとって”エシカル”とはどういう意味を持つものなのかしら?

難しい質問ね。私は科学的な意味で捉えているわ。

――科学?

私はその人が「ベジタリアンか否か」ということで、その人がエシカルかそうでないかと判断できるものではないと思っているわ。エシカルかそうでないか、なんて簡単にいえるものではない難しいものよ。だから私は「環境にどれだけインパクトを与えたか」という「科学的」な基準を持つことが必要だと思っているの。「資源をどれだけ使わないで済んだか」「どれだけ環境が守られたか」ということを数字で示すということ。

私にとって、エシカルとは「環境と共存するための1つのアプローチ」だから。私たちは地球のことを20%ほども理解していない。だからいまの私たちの生活が将来どんな影響をもたらすかも分からない。それなのに、いまのような生活をこのまま進めていくのは危険なことだと思わない?

――明確な基準は大事ね。最後に、あなたのこれからの夢を教えて。

ファッションって生活の全体をデザインすることだから、いつかホームウェアもやりたいと思っているの。壁紙も手掛けてみたいのよ。あと、料理が大好きだからいつかレストランも開いてみたいわ! ローカルフードを使って世界各国の料理を作るの。世界中の文化をフュージョンさせたレストランをやってみたい!

Ada Zanditon

Website:http://www.adazanditon.com/

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